鳥的

ある日俺は 街を出た ごみごみうるさい 排気ガスで臭い
ちっちゃな道を歩いた 街からは近い だけど人っ子一人いない 緑に囲まれた小道
一羽の鳥がぴょこりと出てきた ちょこんとおじぎ一つキビスを返し飛んだ

肩の筋肉が盛り上がり ひじ手首のあたり羽先へと
しなやかに伝わった力が 体を持ち上げる
体ごしに見える太陽に 思わず目がくらんだ瞬間
その体は高く高く はるか俺の頭上高く高く
俺もああありたい 水面下でもがく足を
見せない白鳥のようになんて けちなことは言わず
懸命に羽ばたく姿 さらけ出して飛ぶ事それ自体
雄雄しく気高く美しく神々しいあの鳥のように

今日のところは やっぱ帰ろかな? くるりと振り返って ごみごみ排気ガスの街へ
又現れた 羽を折りたたんで まんまるなその目で 俺の目を見た
俺の耳の横風が通り抜けた 透明な風が羽ばたく音と共に

風の行く途を追いかけた 俺が一歩進む間に
ゆっくり繰り返すはばたきで どこかへ消えちまうけど
羽ばたく度に胸に覚える 痛みに負け飛べない鳥がいる
話思い出しながら ただただ追いかけた
俺もああありたい 翼がほしいだ自由がほしいだ
そんなしみったれた事 言ってる訳じゃなく
羽ばたく度に覚える痛み 胸にかかえて飛ぶその姿が
雄雄しく気高く美しいあの鳥の強さが欲しい

飛びたい飛べる 2本の足で
笑っておくれ そこ飛ぶ鳥よ 俺も行くぜ この2本足で
トボトボとスタスタとダダダダダと歩き走り
笑いながら飛ぶのさバサリバサリ フワリフワリ・・・・・・
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